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市川は山田のことが好き。
でも、自分に自信が持てず、その「好き」を口にする勇気がなかった。
山田と少しずつ交流を重ねていく中で、彼は自分の気持ちと向き合い、正直な想いを言葉にできるようになっていく。
思春期特有の不安や自己否定、そして小さな成長。
その繊細な心情をありありと描き切っているからこそ、『僕の心のヤバいやつ』は胸に深く刺さる。
そんな本作が、私は大好きです。
あらすじ
市川京太郎は殺人にまつわる猟奇本を愛読する、
重度の中二病男子。同じクラスの美少女・山田杏奈をチラチラと見ては、
ヤバめな妄想を繰り返していた。そんなある日、山田が市川の聖域・図書室にやってくる。
一人だと思い込み、大口でおにぎりを頬張ったり、
機嫌よく鼻歌を歌ったりと、思うままに振る舞う山田。予測不能な行動を繰り出す姿に、
市川は徐々に目が離せなくなっていき……。©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

山田杏奈 ©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

市川京太郎 ©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
推しポイント
2期OP「僕は…」が描く、市川京太郎の心の変化
『僕の心のヤバイやつ』2期のOP曲「僕は…」は、市川京太郎の内面をこれ以上ないほど丁寧に言葉にした一曲だと思います。
歌詞を追っていくと、1期から積み重ねてきた市川の心情や成長が、はっきりと浮かび上がってきます。
書架の隙間に住まう
一輪の花は
僕には届かぬ存在で
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
ここで歌われる「一輪の花」は、言うまでもなく山田杏奈のことだと私は解釈しています。
まさに高嶺の花であり、「自分なんかとは釣り合わない存在」として描かれています。
このフレーズには、市川の強い自己否定と自信のなさが表れています。
アニメ1期第3話で、市川が自分の山田への好意に気づいた瞬間、ベッドの下で泣いてしまうシーンがあります。
それは嬉し涙ではなく、「これは叶わない恋だ」と理解してしまったから。
山田に好きになってもらえるわけがない、自分が誰かに選ばれるはずがない。
そんな感情を、たった一行で表現しているのがこの歌詞だと感じました。
言葉の奥に住まう
本音の種はもう
日の目も浴びずに
枯れていた
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
このフレーズは、市川だけでなく、山田の心情も同時に映し出しているように感じました。
OPの映像では二人が描かれ、月明かりに照らされた夜、LINEでやり取りをしている様子が映ります。
言葉は交わしているけれど、本当に伝えたい気持ちは胸の奥にしまい込んだまま。
本音を口にしたい、けれど怖くて踏み出せない。そんな時間が積み重なり、やがて「言えなかった本音」は、日の目を見ることなく枯れてしまったようにも見えます。
この“本音を出せなかった自分”への後悔や諦めが、
続く「周りと比べては また自己嫌悪落ちてく」という歌詞へとつながっていく。
想いを伝えられないままの停滞感が、市川の自己嫌悪をより深くしている――
そうした心の流れが、この一連の歌詞から伝わってきます。
周りと比べてはまた
自己嫌悪落ちてく
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
この一節は、市川の思考回路そのもの。
他人と比べては落ち込み、考えすぎて、勝手に自分を嫌いになっていく。
彼のネガティブさは誇張ではなく、思春期のリアルな心の動きとして描かれているからこそ共感してしまいます。
怖くなるんだそれでも
君のすべてに救われて
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
しかし、物語はそこで終わりません。
山田と過ごす時間、何気ない会話や出来事を通して、市川の中にあった自己嫌悪のループは少しずつ薄れていきます。
「君のすべて」という言葉が示す通り、特別な何かではなく、山田という存在そのものが、市川を救っているのだと思います。
君が僕に見せてくれた
世界はとても綺麗だったな
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
この一節を聴いたとき、**『四月は君の嘘』**のあるシーンを思い出しました。
『四月は君の嘘』では、主人公・有馬公生が母の死をきっかけにピアノが弾けなくなり、世界から色が消えてしまったように感じていました。
しかし、ヒロイン・宮園かをりとの出会いによって、その世界は少しずつ色を取り戻し、モノトーンだった日常がカラフルに塗り替えられていきます。
どんな状況に置かれていても、世界をどう見るかはその人の主観で決まる。
そして、その価値観そのものを変えてしまう存在は、やはりかけがえのない存在なのだと思います。
市川にとって、それが山田なのではないでしょうか。
自己嫌悪と孤独の中で閉じていた世界が、山田と出会ったことで「綺麗だった」と言えるものへと変わっていく。
この歌詞からは、市川がすでに山田を自分の人生にとって特別で、失いたくない存在だと認識していることが伝わってきます。
……やはり尊いです(笑)

まるで僕が僕じゃなくなっていく
そんな日々もどこか愛おしくて
また君に恋を知る
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
このパートが、個人的に一番好きです。
「自分が自分じゃなくなっていく」という変化に対する戸惑いはありつつも、それを成長として受け入れ、愛せるようになっているのが伝わってきます。
思春期という時期において、自分のアイデンティティを見つめ直し、変わっていくことを肯定する――
この歌詞は、そんな市川の心の成熟を優しく描いているように感じました。
そして「また君に恋を知る」という言葉の選び方が、本当に好きです。
恋を“する”のではなく、“知る”。
“する”だと2度目、3度目の恋にも当てはまりますが、“知る”ということはこれまで恋を知らなかったという意味になります。
つまり、市川にとって山田への恋は初恋であり、恋について知っていくということになります。
また、何度でも恋を学び直しているという解釈もできると思います。
ちなみに、「愛おしくて」のところで映像内の市川と山田がハートマークを作るシーンは、個人的にOPで一番好きなカットです。
正直、あそこを見るために2期のOPは絶対に飛ばせません(笑)。
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
第3話「僕は…山田が好きなんだ」にすべてが詰まっている
第3話で描かれるこのシーンは、『僕の心のヤバイやつ』の中でも特に心に残っています。
体育の授業中、山田の顔面にバスケットボールが当たってしまい、鼻血を出して保健室へ行くことになる。
市川は表向きは何でもないふりをしながらも、山田のことが気になって仕方がなく、こっそりと保健室を訪れる。
しかし声をかける勇気はなく、見つかりそうになった市川は、とっさにベッドの下に隠れてしまう。
この時点でも、市川の自己肯定感の低さや、山田との距離感がはっきりと表れています。
そこで市川が聞いてしまうのが、山田が母親に電話で話す声。
翌日に控えていた読者モデルの写真撮影に行けそうにないことを、山田は涙を流しながら伝えます。
その姿を見て(正確には、聞いて)、なぜか市川も涙を流してしまう。
市川自身は、その涙の意味をまだ理解できていません。
ですが、山田がポケットからティッシュを取り出そうとした瞬間、
そこに、市川が描いた山田のイラストが大事そうにしまわれているのを目にします。
その瞬間、市川の中で、これまでの出来事が一気につながっていく。
図書室での時間、何気ない会話、山田の何気ない優しさや距離感。
それらを思い出しながら、市川はついに自分の気持ちを言葉にします。
「僕は…山田が好きなんだ」
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
では、なぜ「好きだ」と気づいた瞬間、市川は涙を流したのでしょうか。
それは、恋をした喜びよりも先に、「これは叶わない恋だ」と理解してしまったからだと製作スタッフの方は述べております。
自己嫌悪が強く、自分に価値を見いだせない市川にとって、
山田への恋=どう頑張っても報われないもの。
思春期という心がまだ未熟な時期に、「届かない」と感じた恋の痛みが、
言葉になる前に涙としてあふれてしまったのではないでしょうか。
このシーンは、恋の始まりでありながら、同時に市川の弱さと残酷な自己認識を突きつける場面でもあります。
だからこそ切なくて、忘れられない。
第3話を挙げたくなる理由が、すべて詰まっているシーンです。
音響へのこだわりが、このシーンを忘れられないものにしている
第3話「僕は…山田が好きなんだ」のクライマックスでは、切ない旋律のBGMが流れています。
恋に気づいた瞬間であれば、本来は高揚感のある音楽が使われてもおかしくない。
それでもあえて悲しい音楽を選んでいるのは、この場面が「恋の始まり」ではなく、
報われない恋をしてしまったと悟る瞬間だからなのだと思います。
市川が感じているのは、好きになれた喜びよりも、
「これは届かない」「自分には無理だ」という自己否定と諦め。
その感情を、セリフではなく音楽で静かに語らせているのが、このシーンの凄さです。
もしここで明るい音楽が流れていたら、
この場面はここまで胸に刺さらなかったでしょう。
作画や演技だけでなく、音響そのものが市川の心を代弁しているからこそ、
視聴者は彼の痛みを疑似体験してしまう。
『僕の心のヤバイやつ』は、感情を大げさに説明しない作品です。
その代わりに、沈黙や間、そして音楽で心情を伝えてくる。
この第3話を通して、作画だけでなく音響もまたアニメを形作る重要な要素なのだと、強く思い知らされました。
©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
劇場版 「僕の心のヤバいやつ」
劇場版『僕の心のヤバイやつ』は、TVアニメシリーズを市川京太郎視点で再編集し、
彼の心に潜む想いにより深く寄り添う構成になると発表されています。
恋に臆病で、自己嫌悪に揺れ続けてきた市川の心情を、
「震えながらもしぼり出す勇気」という形で、スクリーンに濃密に刻みつける――
まさに本作らしい切り口だと感じました。
特に注目したいのが、TVでは描かれなかった第2期のその後が、
完全新作映像として描かれる点です。
姉・香菜のライブシーン、そして何よりも気になるのが、
「山田との特別な瞬間」。
これまで丁寧に積み重ねてきた市川と山田の関係性を思うと、
“特別な瞬間”という言葉だけで、期待が膨らんでしまいます。
あの二人だからこそ生まれる、派手ではないけれど確かに心に残る時間が、
劇場という空間でどのように描かれるのか。正直、かなり楽しみです。
そんな期待もあり、劇場版の公開を知ってすぐにムビチケ前売り券を購入しました。
購入したのは、公式サイトで販売されている
『特製チケットホルダー付き ムビチケ前売券(カード) 第2弾』。

ムビチケ前売券 ©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

チケットホルダー ©桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会
チケットホルダーがエモい
**『特製クリアファイル付き ムビチケ前売券(カード) 第1弾』**ともかなり迷いましたが、
第1弾は市川と山田のムビチケカードを2枚並べることで一つの絵柄が完成する仕様。
どうしても2枚欲しくなってしまいそうだったため、今回は第2弾を選びました。
TVシリーズで描かれてきた繊細な心の揺れが、
劇場版ではどんな形で昇華されるのか。
公開日が、今から待ち遠しいです。
どのサイトで見れるか
現在、このアニメは各見放題サービスで視聴可能です。
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まとめ
『僕の心のヤバイやつ』は、派手な展開や分かりやすいカタルシスで魅せる作品ではありません。
その代わりに描かれているのは、
好きだと気づいてしまった瞬間の戸惑い、
自分なんかじゃ届かないと感じてしまう自己嫌悪、
それでも誰かと関わることで、少しずつ変わっていく心の動きです。
2期OP「僕は…」の歌詞が丁寧に描いているのも、
第3話で市川が流した涙が象徴しているのも、
「恋を知ることは、必ずしも幸せだけではない」という現実。
それでも、人は誰かと出会い、その人を通して世界の見え方を変えていく。
市川にとっての山田は、まさにそんな存在なのだと感じました。
作画、演技、音響、歌詞――
どれか一つが突出しているのではなく、すべてが噛み合って、
市川の繊細な感情を静かに、しかし確実に視聴者の心へ届けてくる。
だからこそ『僕ヤバ』は、観終わったあともふとした瞬間に思い出してしまう作品なのだと思います。
恋に臆病だったことがある人。
自分に自信が持てなかった過去がある人。
誰かの存在によって、世界が少しだけ違って見えた経験がある人。
そんな人には、きっと深く刺さるはずです。
やはり――
『僕の心のヤバイやつ』は、尊い作品です(笑)



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